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■2006.3.20
がん検診の功罪 |
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昨近、ようやく検診の意義を疑問視する見解が散見されるようになりました。
厚生労働省の研究班報告によれば、胃がん検診では死亡率の減少効果60%で、40%の偽陰性と25%の偽陽性を想定しています。
一体どんな調査をすれば死亡率60%減というとんでもない数字が出るのでしょう。
40%も見落としがあり、4人に1人は誤ってがんとされて必要ない検査を受ける不利益をどう説明するのだろう。
要するに検診結果の半分は誤りだけど、それでも60%も死亡率が減ったという、摩訶不思議な報告です。
大腸がん検診では更に上を行って死亡率減少効果は60%以上だそうです。どんな計算なのか想像するのも困難です。便潜血反応は鼻血や胃十二指腸潰瘍といった上部消化管出血でも陽性化するし、イボ痔やきれ痔なら露骨に陽性です。
上野駅で東北線から降りる乗客を見て、仙台で乗ったか大宮から乗ったかを判別しようとする様な検査です。便潜血反応が必ずしも大腸がん検査を意味しないことを知らしむべきです。
肺がん検診の有効性に至ってはすでに世界中で概ね否定されています。
検診結果よりも体調変化の有無を見逃さないことが重要です。
もちろん殆どが無症状ですが、「二次検査の通知です」と言うだけでなく「胃が変です。便通がおかしいです。」と付け加えれば医者の気構えも違うでしょう。
ここまで読まれたあなたは、もう「再検査」の通知に怯える必要はありません。
実態はこんなものですから。
検診の意義を全否定する意図は毛頭ありませんが、過大評価と詭弁を弄して国民をミスリードしないよう念じて止みません。
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