世間の耳目がサッカーワールドカップに集中しているその裏で参院厚生労働委員会が粛々と開かれて、医療制度改革法案が可決されました。
高齢者の自己負担は大幅に増加します。
法案が重要であればあるほど、国民の目が逸れた絶妙の機会に決定します。
現在でも日本の医療費は先進国のずっと下位ですが、政府は医療にかける予算がムダだと思っているらしく、もっと削減したくてたまらないようです。
ひょっとすると政府は医療そのものが気に食わないのでしょうか。
アメリカ式に自費診療主体にして民間保険を導入すれば自ずと公費負担は激減します。
その一方でサッチャー式にイギリスの医療費削減政策を実行すれば、税金を使わない医療が完成します。政府が目標とする医療改革の本音はそんなところでしょう。
サッチャー以後、英国の悲惨な医療崩壊は今も継続しています。
米国型医療は完全に市場原理に支配されています。小泉さん竹中さんに分るように言えば「命の沙汰も金次第」の医療が蔓延するということです。
医療は水や空気と同様に不可欠なもので、必要なときに充分な医療を受けるのは国民の最低限の権利です。国民の生命と財産の維持に使う税金をムダとお思いでしょうか?
どうもこの国の役人は、国民の健康よりも公務員制度の維持やコンクリート建造物にご執心のようです。
英国式医療費削減と米国式保険制度を規範とした二刀流の改革路線はいずれ崩壊します。
「命の沙汰も金次第」の時代はもう目の前に迫っています。
医療が必要な事態に遭遇した時、コイズミ氏は「貧乏人は水を飲め」とでも言うのでしょうか。
一億玉砕への道をくい止める術は既になく、焦土と化して行く祖国を儚むしかないようです。
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